2012年03月20日

特定同族会社の留保金額に対する税額の計算に関する明細書

特定同族会社の留保金額に対する税額の計算
[申告書別表3(1)、(決議書第3表(1-1)及び(1-2)]

(過去の改正)
平成12年度の税制改正により中小企業者等に対する同族会社の特別税率の不適用制度が創設された(旧措法68の2)。

平成18年度税制改正により、留保金控除額について、所得基準及び定額基準額の引上げが行われ、また、自己資本基準が新たに設けられた(旧法67D、旧令140)。

平成19年度税制改正により、適用対象となる特定同族会社から、事業年度終了の時における資本金の額が1億円以下である被支配会社が除外された。また、自己資本基準が廃止された(法67@)。
【適用関係】
平成19年4月1日以後に開始する事業年度の所得に対する法人税について適用し、同日前に開始した事業年度の所得に対する法人税については従前のとおり(平19法附則32)。

[検討の仕方]
各欄に記載されている額が、第3章主要項目改正経過の一覧表の「5」に記載されている率等に基づいて計算されているか確認する。

(1) 適用除外とされる法人及び事業年度
特定同族会社の特別税率の規定(法67@)は、青色申告書を提出する特定同族会社で次に揚げるものそれぞれの事業年度については、適用されない(旧措法68の2@)。なお、本制度は期限(平成20年3月31日)の到来をもって廃止された。

イ 中小企業の新たな事業活動の促進に関する法律(以下「中小企業新事業活動促進法」という。)第9条第1項の  承認を受けた中小企業者に該当する特定同族会社(旧措法68の2@)
事業年度終了の時において承認経営革新計画に従って経営革新のための事業を実施している場合におけるそ  の事業年度(平成18年4月1日から平成20年3月31日までに開始する各事業年度に限る。)
 (注) 中小企業新事業活動促進法に規定する中小企業者とは、業種区分に応じ次の資本金基準、従業員基準の    いずれかに該当する者をいう(中小企業新事業活動促進法2@、中小企業新事業活動促進法施行令1@)。

ロ 中小企業新事業活動促進法第2条第1項に規定する中小企業者に該当する同族会社(旧措法68の2@−)
その同族会社の設立の日として政令で定める日(以下「設立の日」という。)を含む事業年度からその設立    の日以後10年を経過する日を含む事業年度までの各事業年度(平成12年4月1日から平成18年3月31日までの   間に開始する各事業年度に限る。)
 (注) 政令で定める日は、その同族会社の設立の日とされているが、その同族会社が次に掲げる同族会社に該    当する場合には、設立の日はそれぞれに次に定める人されている(旧措令39の34の2@)。

(1) 発行済株式の総数又は出資金額の2分の1以上が他の同族会社により所有されている同族会社 当該同族会社との当該他の同族会社の設立の日のうちいずれか早い日

(2) 他の同族会社から営業の全部又は一部を譲り受け、その譲り受けた営業を主たる事業として営む法人であって、その発行済株式の総数又は出資金額の2分の1以上が他の同族会社の株主等並びにこれらと特殊の関係のある個人及び法人により所有されている同族会社 当該同族会社と当該他の同族会社の設立の日のうちいずれか早い日

(3) 合併法人に該当する同族会社 当該同族会社と各被合併法人の設立の日のうち最も早い日(合併により設立された同族会社にあっては、各被合併法人の設立の日のうち最も早い日)

(4) 分割承継法人に該当する同族会社 当該同族会社と各分割法人の設立の日のうち最も早い日(分割により設立された法人にあっては、各分割法人の設立の日のうち最も早い日)
ハ 各事業年度終了の時における資本又は出資の金額が1億円以下で前事業年度終了の時における自己資本比率が50%以下である同族会社(旧措法68の2@三)
(注) 平成15年4月1日から平成18年3月31日までの間に開始する各事業年度について適用される。

(注意点)
(1) 留保金額から控除すべき法人税額は、所得税額控除後の金額によることとなっているのに、控除前の金額によったため、課税留保所得金額が過少となっているもの(法67B)。
(2) 留保金額から控除すべき法人税額は、使途秘匿税額を含めて計算することとなっているのに含めていないもの(法67B、措法62E-)。
(3) 留保金額から控除すべき住民税額は、所得税額控除前の法人税額に20.7%を乗じて計算することとなっているのに、これによっていないもの(令139の10)。
(4) 会社法適用初年度の特定同族会社の留保金額には、前事業年度の期末配当金額を加算しなくてよいのに、加算しているもの(法67C、平18法附則43@)。
* 会社法適用初年度とは、平成18年5月1日以後最初に終了する事業年度をいう。
(5) 住民税額の基礎となる法人税額の掲載において、以下の税額控除額を法人税額から控除していないもの(令139の10)。
・外国税法(令139の10)。
・仮装経理に基づく場合の更正に伴う法人税額の控除額(法70)
・試験研究を行った場合の法人税額の特別控除(措法42の4F)
(注) 平成15年4月1日以後開始する事業年度については試験研究費の総額による税額控除制度による。
・中小企業者等がエネルギー事業構造改革推進設備等を取得した場合の法人税額の特別控除(措法42の5A、B)
・中小企業者等が機械当を取得した場合等の法人税額の特別控除(措法42の6A、B)
・特定中小企業者等が事業基礎強化設備を取得した場合等の法人税額の特別控除(措法42の7A、B)
・沖縄の特定地域において工業用機械等を取得した場合の法人税額の特別控除(措法42の9@、A)
・沖縄の特定中小企業者が経営確信設等を取得した場合等の法人税額の特別控除(措法42の10A、B)
(6) 留保控除額の計算上、利益積立金額まマイナスの場合は、資本金の額又は出資金の額の25%と当該マイナスの金額との合計額が積立金基準額となるのに、利益積立金額を零としたため留保所得が過大となっているもの(基通16-1-7)。
(7) 特定同族会社の特別税率の適用がある場合の定額基準額に誤りがあるもの。
(8) 仮払経理により支出した交際費について申告調整において加算流出、減算留保の処理を行っていないため留保所得が過大となっていたもの。
(9) 株式の発行法人において、自己株式の取得によりみなし配当が生じる場合、申告調整により、みなし配当相当額の加算流出及び減算留保(別表5(1)では自己株式のマイナスとして表示)の処理を行っていないために留保所得が過大となっているもの。
(注) 自己株式を取得するために支出した金銭等の額からみなし配当相当額を控除した金増は別表5(1)では自己株式のマイナス及び資本金等の額のマイナスとして表示される。
(11) 収用等の特別控除による損金算入額、受取配当等の益金不算入額等の流出減算項目の否認(認容)により、これらの金額が変動する場合には留保所得控除額の計算における所得基準の計算に反映させる必要があるのに、これを行っていないもの。
(12) 平成15年4月1日から平成18年3月31日までの間に開始する事業年度において上記(1)ハの適用を受けている場合、自己資本比率の計算における前事業年度末の自己資本の額には、その会社の同族株主等に対する負債を加算して計算することとなるが、この同族株主等には株式又は出資を有しない同族関係(株主等と特殊の関係のある個人又は法人)は含まれないこととなるのに、含めて計算しているもの(旧措法68の2-8)。

連結特定同族会社の連結留保金額に対する税額の計算に関する明細書
[別表3の2、決議書第3表の2(1-1)及び(1-2)]
(1) 連結留保金額から控除すべき住民税額は、各連結法人の個別帰属額の計算で算出された住民税額の合計額とすべきであるのに、連結申告所得が0であることから、同欄を0として課税留保金額を計算しているもの。

連結特定同族会社の連結留保金額に対する税額の個別帰属類の計算に関する明細書
[別表3の2付表、決議書第3表の2(1)付表1-1]

(1) 連結法人が加入法人又は分割法人(分割型分割)である場合、「連結個別留保金額の計算」の「47」、「48」欄の分子には、連結親法人の連結事業年度の月数を記載すべきであるのに、当該連結法人の連結申告の対象となった期間の月数を記載しているもの。
(2) 「12」欄について、連結法人税個別帰属類がマイナスの場合は住民税額を0とすべきところマイナスとして計算している法人の処理をそのまま認めているもの。
posted by travelair at 19:27| Comment(0) | 法人税:別表3(1) | 更新情報をチェックする
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