2013年02月08日

直接納付した控除対象外国法人税額

[申告書別表6(4)及び6(4の2)]
★(1) 租税条約による限度税率を超える税率により外国法人税を課されたときは、その超える部分の金額の還付を受けるまでは仮払金等として経理し、かつ、これについては外国税額控除の適用が認められないのに、外国税額控除の対象にしている法人の計算をそのまま認めているもの(基通16-3-8)。
★(2) シンガポール共和国及びマレーシアの居住者である法人が支払う配当から控除される所得税相当額は、源泉徴収に係る所得税ではないのに、直接納付する外国税額としている法人の計算をそのまま認めているもの(基通16-3-4)。
(注) シンガポール共和国及びマレーシアにおいて、配当所得につき源泉控除をされるものは、通常の源泉所得税ではなく、配当原資である利益に課された法人税相当額であるから、間接税額控除の対象とはなるが、直接税額控除の対象とはならない。
シンガポール共和国では2003年1月1日以後の配当原資に係る課税について、法人段階で課税し、株主が受領する配当は全額非課税とする方式に変換された。
ただし、2007年12月31日までの間は経過措置として旧方式の株主に対する配当から源泉控除をすることも認められている。
☆(3) 中国の営業税等のように、所得を課税標準とする外国法人税に該当しないものを直接納付した外国法人税として控除対象としているもの。
(4) 中国に恒久的施設(PE)がある内国法人が中国の法人と役務提供契約を締結している場合、当該役務提供から生ずる所得については、企業所得税の源泉徴収が必要となる。このとき、源泉徴収税額は、「収入金額×みなし利益率×法定税率」により算出されるが、収入金額を課税所得、「みなり利益率×法定税率」を軽減税率としていたため、本来はみなし税額控除ができないにもかかわらず、誤ってみなし税額控除を適用していたもの。
(5) 持株割合が10%以上であるイギリスの子会社からの受取配当については源泉課税は行われないため、直接納付の外国法人税額は発生しないにもかかわらず、受取配当の額を基礎とするグロスアップ計算により算出した金額をもって直接納付した外国法人税として外国税額控除を適用しているもの(旧日英租税条約第11条(2)(a)、(3)(a)(B)。なお、平成19年1月1日以後は、条約改正によって、持株割合に応じて制限税率が決められることとなった(日英租税条約第10条2、3(a))。
(6) フランスの子会社からの使用料について、平成20年1月1日以後支払を受けるべきものからは、アメリカ及びイギリスからの使用料と同様に源泉課税は源泉地国において一律免税とされたのに、誤って源泉課税されたタックスレシートをもとに外国税額控除を適用し、仮払金等として処理されていないもの。
(7) 外国投資信託の収益の分配に係る国外での源泉徴収税額は外国法人税に該当するのに、所得税額控除をした法人の計算をそのまま認めているもの(例144A三)。
☆(8) 外国から受ける利子又は配当等に対する外国法人税額の換算は、法人が利子配当等の収益計上を税引後の手取額により経理しているような場合にはその利子又は配当等の収益の額の換算に適用した為替相場によるべきであるのに、これによっていないもの(基通16-3-53(1)イ)。
(9) 利子、配当等に課された外国法人税でその課された日の属する事業年度において費用の額(仮払経理を含む。)として計上するものは、その費用の額の換算に適用する為替相場によることとなるのに、これによっていないもの(基通16-3-53(1)ロ)。
★(10) みなし外国税額の控除は、租税条約において特に規定されているもの(例:日中租税条約第23条4)に限り適用されることとなっているが、その規定がないのにこれを認めているもの。
(注) いわゆる株式配当について、利益の資本組入れである場合には、みなし配当とならないことから内国法人の課税所得を構成しないので、当該外国子会社納付した源泉所得税額については外交法人税に該当しない。したがって、内国法人が外国子会社に送金した株式配当に係る源泉所得税相当額については直接税額控除の適用はなく、損金の額に算入される。
[検討の仕方]
直接納付したとみなすことができる外国法人税であるかどうかについて、別表6(4)の「国名「1」」欄、「所得の種類「2」」欄、「税種目「3」」欄、「みなし納付の基礎となる条約及び相手国の法令の根拠規定「12」」欄及び別表6(4の2)の「国名「1」」欄、「税種目「2」」欄、「みなし納付の基礎となる条約及び相手国の法令の根拠規定「7」」欄の各欄を分析して、その適否を確認する。
(注) 納付したとみなす外国法人税額の控除は、租税条約において、その旨を取り決めた国及び税目に限って適用があることから、対象時期に応じた適用関係を租税条約により確認する。
タイ(タイの経済開発を促進するための特別の奨励措置による減免の場合のみ。なお、通常の配当あるいは使用料については、1992年のタイ国内法の改正による減税後は、タイの国内税率が租税条約による限度税率より低くなり、あるいは同じとなったため、みなし外国税額の控除はない。)、マレーシア(2006年12月31日までに開始する課税年度までに限り、かつ、2001年1月1日以後はマレーシアの掲載開発を促進するための特別の奨励措置による減免の場合のみに限る。)、シンガポール(2000年課税年度までに限る。)、韓国(2003年12月31日までに開始する事業年度までに限り、かつ、韓国の経済開発を促進するための特別の奨励措置による減免の場合のみに限る。)、インド(2006年12月31日までに開始する課税年度に限る。)、パキスタン、スリランカ、ブラジル、ザンビア、アイルランド、スペイン、フィリピン、インドネシア、中国(日中条約23条4(c)に係るものは、1991年12月26日又は各規定に従って最少に中国の租税の免除、軽減若しくは還付が行われた時のいずれか遅い方から10年目の課税年度までに限る。)、バングラデシュ、ブリガリア(2001年12月31日までに開始する事業年度に限る。)、ベトナム(2010年12月31日までに開始する事業年度に限る。)、トルコ(適用期間1995.1.1〜2004.12.31)、メキシコ(2005年12月31日までに開始する事業年度に限る。)
(11) 現行日韓租税条約は平成11年11月22日から効力が生じているが、旧条約による配当、利子、使用料に係るみなし外国税額控除(旧条約18条(3)(a)は、1999年(平成11年)12月31日までに開始する事業年度に帰属するものについて認められ、その後には適用がなくなった(現行条約には、旧条約18条(3)(a)により認められていたみなし外国税額控除に代わる条文がない。)にもかかわらず、別表6(4)の「みなし納付外国法人税額」欄に記載している申告をそのまま認めているもの。
(注) 現行条約で認められるみなし外国税額控除は、旧条約18条(3)(b)でも認められていた「韓国の経済開発を促進するための特定の奨励措置」による減免の場合のみとなり、かつ、2003年(平成15年)12月31日よりも後に開始する事業年度においてはそれも適用がなくなることとなった(現行条約23条3、4)。
(12) 仮払外国法人税の認定損を行っていないもの若しくは納税充当金取崩納付外国法人税の申告減算漏れとなっているもの。また、仮払外国法人税を消却しているのに認定損の戻入れ処理をしていないもの。
☆(13) 源泉徴収による外国法人税は、原則として、その源泉徴収の対象となった利子、配当、使用料等の支払の時に納付が確定するものとされており、当該確定日の属する事業年度において外国税額控除を適用することとなるが、当該確定日前に未収入金に計以上された国外からの利子・配当・使用料等に係る外国法人税について、そのまま外国税額控除を認めているもの。
(注) 国外所得計算(申告書別表6(2))においては、未収の国外からの利子・配当・使用料等も、国外所得に含まれることに留意する。
(14) 利払期の中途で米国社債・米国国際を米国の居住者から購入した場合、居住者が所有していた期間の源泉所得税は還付されるにもかかわらず、全額を直接税額控除の対象としているもの。
[検討の仕方]
利払計算書を見て、経過利息の有無を確認する。
(15) 金融行及び保険業で所得率が20%以下であるのに、別表6(4の2)を使用しないために10%ないし15%を超える税率による利子等の税額控除を認めているもの(例142の3A一、二、三)。
(16) 一般法人であっても当該事業年度及び前2年以内の事業年度の利子等の収入金額の合計額を当該合計額にこれらの事業年度の売上総利益の額を加算した金額で除して計算した割合が20%以上の法人で、かつ所得率20%以下であるのに別表6(4の2)を使用しないために10%ないし15%を超える税率による利子等の税額控除を認めているもの(令142の3A四)。
☆(17) 別表6(4)「税率(%)「14」」欄が50%を超える税率であるのに50%を超える部分に相当する部分を控除対象外国法人税額から除いていないもの(法69@、令142の3@)。
posted by travelair at 19:15| Comment(0) | 外国税額控除 | 更新情報をチェックする
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