2013年02月08日

デリバティブ取引・ヘッジ処理

(1) デリバティブ取引
平成12年度税制改正により、期末において未決済となっているデリバティブ取引(未決済デリバティブ取引)については、決済したものとみなして算出した利益の額又は損失の額に相当する金額を、洗替方式により益金の額又は損金の額に算入することとされた(法61の5)。
(注) 金融先物取引、スワップ取引、オプション取引、先元外国為替取引等がデリバティブ取引の代表例である(規27の7@)。
なお、外貨建資産等の金額を確定させる先物外国為替契約等に基づくもの及び金利スワップ取引等のうち、一定の要件を満たすものは、このみなし決済損益の規定は適用されない。
また、デリバティブ取引により金銭以外の資産を取得した場合(繰延ヘッジ処理の適用をうける場合を除く。)には、その取得の時に対価として支払った金額とその取得した資産の時価との差額を益金の額又は損金の額に算入することとされた。
(注) この場合、その取得した資産は、時価で取得したものとされる。
(2) 繰延ヘッジ処理
次の損失の額(ヘッジ対象資産等損金額)を現象させるためにデリバティブ取引等をおこなった場合で、そのデリバティブ取引等がヘッジ大層資産等損失額を減少させるために有効であると認められるときは、デリバティブ取引等の決済によって生じた利益の額又は損失の額やみなし決済による生じた利益の額又は損失の額に相当する金額等は、ヘッジ取引の対象である資産若しくは負債の譲渡若しくは消滅又は金銭の受取若しくは支払の日の属する事業年度までのその計上を繰り延べることとされた(法61の6)。
@ 資産又は負債の価額の変動に伴って生ずるおそれのある損失
A 資産の取得若しくは譲渡、負債の発生若しくは消滅、金利の受け取り若しくは支払いその他これらに準ずるものにより受け取ることとなり又は支払うこととなる金銭の額の変動に伴って生ずるおそれのある損失
繰延ヘッジ処理の適用を受けようとする場合には、デリバティブ取引等を行った日において、ヘッジ目的で行った旨並びにヘッジ対象資産等及びデリバティブ取引等の明細等を帳簿書類に記載することが要件とされている。
(3) 時価ヘッジ処理
売買目的外有価証券の価額の変動(期末時換算法により円換算を行う償還期限及び償還金額の定めのある有価証券の価額の変動のうち為替相場の変動により起因するものを除く。)により生ずるおそれのある損失の額を減少させるためにデリバティブ取引等を行った場合において、事業年度終了の時までの間にヘッジ対象である売買木亭外有価証券の譲渡がなく、かつ、ヘッジとして有効であると認められるときは、その売買目的外有価証券の時価と帳簿価額との差額のうちデリバティブ取引等の利益額又は損失額に対応する部分の金額は、損金の額又は益金の額に算入することとされた(法61の7)。
時価ヘッジ処理の適用を受けようとする場合には、デリバティブ取引等を行った日において、ヘッジ目的で行った旨及びヘッジ対象の売買目的外有価証券を時価評価する旨並びに売買目的外有価証券及びデリバティブ取引等の明細等を帳簿書類に記載することが要件とされている。

平成13年度税制改正により、適格合併等による未決済デリバテイブ取引に係る契約を移転した場合には、その適格合併等の日の前日の属する事業年度終了の時のみなし決済による利益又は損金の引継ぎ、その利益の額又は損金の額に相当する金額の戻し入れ処理は、合併法人等のその適格合併等の日の属する事業年度において行うこととされた(令120A)。
また、適格組織再編により、被合併法人等が行っていた繰延ヘッジ処理又は時価ヘッジ処理に係るヘッジ対象物及びヘッジ手段であるデリバティブ取引等が移転した場合には、合併法人等においてもその繰延ヘッジ処理又は時価ヘッジ処理を引き継ぐこととされた(法61の6B、61の7A)。

平成18年度税制改正により、繰延ヘッジ処理により、デリバティブ取引等に係る利益額又は損失額のうち益金の額又は損金の額に算入されなかった金額に相当する金額は、その適用をうける事業年度終了の時の負債の帳簿価額又は資産の帳簿価額に含まれることが明確化された(令121の5C、平18令附則1ニ)。

(1) スワップ取引において各交換日に授受される金利相当額以外に、いわゆるアップフロントフィー等の価額調整金の授受が行われることとされている場合の当該価額調整金は利息法又は直線法により各決済日の損益として配分することとなる。
(2) いわゆるクーポンスワップを予定取引(将来に発生する可能性の極めて高い取引)の金銭の受払いにかかる外国為替の売買相場の変動のリスクを回避する目的で行っている場合において、ヘッジとしての有効性を満たさないにもかかわらず、税務上の繰延ヘッジ処理をそのまま認めているもの(繰延ヘッジ要件を満たさないデリバティブ取引については、みなし決済損益の計上を要する。)。
(注) 期末に計上されている外貨建資産及び負債(外貨建買掛金等)が期末時換算法の適用をうける場合にはヘッジ対象とならないのであるから、デリバティブ取引はヘッジ手段とはみとめられず、みなし決済損益の計上をすることとなる(法61の6@ニかっこ書)。
(3) 法人が繰延ヘッジの手段としたデリバティブ取引等に係る時価評価損益を繰り延べているのに、ヘッジ処理の有効性判定を行わずに、デリバティブ取引等であることのみをもって繰延処理を否認しているもの(法61の6@、令121@)。
ヘッジ処理として有効性判定の割合が80%から125%の範囲内であればヘッジ手段のデリバティブ取引等の時価評価損益の繰延処理は認められることとなる(令121の2)。
(4) 外貨建ての予定取引に係る将来のキャッシュフローを先物外国為替契約等によりヘッジしている場合、ヘッジ対象のリスクは外貨の受払い予定日における先物相場の変動であることから、ヘッジ手段である先物外国為替契約等と予定取引の通貨とが同一通貨であれば有効性割合は100%であるのに、ヘッジ対象のリスクを現物相場の変動であるとしてヘッジの有効性が認められないとして繰延ヘッジ処理を否認しているもの(法61の6@二、令121@二、121の2ニ)。
posted by travelair at 18:54| Comment(0) | デリバティブ取引 | 更新情報をチェックする
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