2013年02月08日

有価証券

1 譲渡損益の計上時期及び計算方法
平成12年度税制改正により、有価証券の譲渡損益の計上時期、計算方法等について、次の改正が行われた。
(1) 有価証券の譲渡損益は、その譲渡に係る契約をした日の属する事業年度の益金の額又は損金の額に算入することとされた(法61の2@)。
(2) 有価証券の譲渡損益の額は、譲渡対価の額から譲渡原価の額を控除して計算することとされたが、この譲渡原価の額は、有価証券の1単位当たりの帳簿価額に譲渡をした有価証券の数を乗じた額となる(法61の2@)。
(3) 有価証券の1単位当たりの帳簿価額は、売買目的有価証券、満期保有目的等有価証券及びその他有価証券の区分ごとに、かつ、その銘柄を同じくするものごとに、移動平均法又は総平均法により算出することとされた(令119の2@A)。
(注) 1 有価証券を取得した場合には、その取得をした日の属する事業年度の確定申告書の提出期限(仮決算による中間申告書を提出する場合には、その中間申告書の提出期限) までに、有価証券の1単位当たりの帳簿価額の算出方法を書面により納税地の所轄税務署長に届け出ることとされている(令119の5A)。
  2 改正事業年度開始の時に保有する有価証券については、改正事業年度の開始の日にその有価証券を取得したものとされる(平12令附則10)。
  3 有価証券の1単位当たりの帳簿価額の法定の算出方法は、移動平均法とされた(令119の7@)。
平成13年度税制改正により、有価証券の譲渡損益の計算については、合併、分割又は適格現物出資による有価証券の移転は、従来の有価証券の譲渡として取り扱うのではなく、適格合併及び分割型分割による移転については簿価引継ぎとして、また、適格分社型分割及び適格現物出資による移転については簿価譲渡として、さらに、非適格合併及び非適格分割については時価譲渡として取り扱うこととされた(法61の2@、62、62の2、62の3、62の4)。
平成14年度税制改正により、次の点が改正された。
(1) 株式交換又は株式移転に係る課税の特例の取扱い
平成15年3月31日以後に終了する事業年度又は連結事業年度から、特定親会社が株式交換により交付した自己株式の帳簿価額による課税の繰延処置が廃止された(旧措法67の10、平14措法附則2)。
(2) 自己の株式を譲渡した場合の譲渡損益の取扱い
平成14年4月1日以後に行う自己の株式の譲渡について、その自己の株式を譲渡した場合における譲渡対価の額をその自己の株式のその譲渡の直前の帳簿価額に相当する金額とすることとされた(旧法61の2D)。
その結果、自己の株式を譲渡した場合には、譲渡益又は譲渡損の額は発生しないこととなる。
また、自己の株式の譲渡について、その自己の株式を譲渡した場合における譲渡対価の額からのその自己の株式のその譲渡直前の帳簿価額を減算した金額を資本積立金額の増加額又は減少額とすることとされた(旧法2十七ロ、平14法附則2)。
(3) 有価証券の1単位当たりの帳簿価額の算出の方法の取扱い
平成14年4月1日以後に開始する事業年度の所得に対する法人税より、保険会社の有する有価証券について、その譲渡に係る原価の額を計算する場合における新たな区分として「責任準備金対応有価証券」が追加された(令119の2B)。
(注) 平成14年3月31日以前に開始した事業年度の所得に対する法人税については、従前のとおり(平14令附則2、6@AB)。
平成18年度税制改正により、有価証券の譲渡損益の計上時期、計算方法等について次の改正が行われた。
(1) 有価証券の譲渡に係る対価の額の規定の準備
イ 取得請求権付株式等の請求権の行使等による有価証券の譲渡損益の繰延べ(法61の2M)
ロ 合併等による新株予約権の譲渡損益の繰延べ(法61の2K)
ハ 組織変更による株式の譲渡損益の繰延べ(法61の2L)
ニ 株式交換又は株式移転による株式の譲渡損益の繰延べ(法61の2HJ)
(2) 有価証券の取得価額に関する規定の調整
イ 金銭の払込み又は金銭以外の資産の給付等により取得した有価証券の取得価額の規定の整備(令119@二〜四)
ロ 直前の帳簿価額を付すべき有価証券を取得した場合の規定の追加(令119@八、十、十二〜十九、二十一、二十二)
ハ 適格株式交換又は適格株式移転により取得した場合の規定の追加(令119@九、十一)
(3) 有価証券の譲渡損益の益金又は損金算入時期
有価証券の譲渡が剰余金の配当等によるものである場合の譲渡損益は、その譲渡に係る契約をした日の属する事業年度ではなく、その剰余金の配当等の効力発生日の属する事業年度の益金の額又は損金の額に算入することなどが明確化された(法61の2@、規27の3)。
(4) 自己の株式を譲渡した場合の規定の廃止
自己の株式を譲渡した場合の規定が廃止された(旧法61の2D)。

2 株式の取得価額の特例
(検討の仕方) 有価証券の内訳書の異動事由を検討し、資本準備金の資本組入れではないか確認する。
(1) 平成13年4月1日以後に行われる利益の資本組入れによるみなし配当課税は廃止されており、株式が交付されたものは株式分割として取扱うこととなる(旧法24A二、旧商法293条ノ2、218)。
(2) 有利な価額により取得した有価証券(新たな払込み等をせずに取得をした有価証券を含むものとし、法人の株主等が等が居株主等として金銭その他の資産の払込等又は株式等無償交付により取得をした当該法人の株式又は新株予約権等を除く。)の取得価額は、その取得の時におけるその有価証券の取得のために通常要する価格によるべきであるのに、払込み金額としている法人計算をそのまま認めているもの(令119@四)。

3 評価額及び評価方法
平成12年度税制改正により、有価証券の期末評価は次のとおりとされ、低価法は廃止された。
なお、改正事業年度の直前の事業年度において計上した低価法の評価損の額については、取戻益を計上しないこととされた。

有価証券の評価方法.JPG

(注)1 平成12年度税制改正により、外貨建有価証券等の換算規定の法制化が行われ、外国為替の売買相場が著しく変動した場合には、その外国通貨を同じくするもののすべて(企業支配株式を除く。)につき、期末時レートで換算替えすることが認められた(令122の3)。
2 平成18年度税制改正により、上記有価証券のうち償還期限及び償還金額の定めがあるものについて、その範囲が次の通り見直された(令119の13四イ、119の14)。
(1) 転換社債が含まれることとなった。
(2) 償還期限に償還されないと見込まれる新株式予約権付社債その他これに準ずるものが除かれた。

(1) 法人の届出に係る評価方法は総平均法であるにもかかわらず、移動平均法によって否認しているもの(令119の2、119の5、119の7、旧令34)。
(2) 法人の届出に係る評価方法は総平均法であり、期首より所有していた株式を全株期中に売却し、その後に購入した同じ銘柄の株式について購入価額で期末評価している法人計算をそのまま認めているもの(令119の2@二、旧令34@一イ(1))。
(3) 平成12年4月1日以後に最初に開始する事業年度(改正事業年度)の直前の事業年度において、上場有価証券の評価を低価法により評価している場合、当該低価法により評価した有価証券の金額をもって改正事業年度の帳簿価額としているか。
(4) 株式の併合が行われた場合に不替え計算を行わす、併合により減少した株数に相当する価額を評価損として計上しているもの。
(5) 上場有価証券以外の株式で、その株式を発行する法人の資産状態が著しく悪化した事実がないにもかかわらず、評価損の計上を行っているもの。
☆(6) 売買目的外有価証券について、評価損を計上できる事実がないのに期末時価で評価していたもの。
(7) 満期保有目的の有価証券(償還期間・償還金額の定めのあるもの)について、償却原価法に基づいて期末評価していないもの。
(8) その他有価証券を会計上、時価評価し、その評価差額を損失として計上している場合に、当該評価差額(損失)について申告加算していないもの。
(9) 損金経理していないその他有価証券の評価差額に係る繰延税金負債の額を誤って加算しているもの。
(10) 全部純資産直入法による有価証券評価差額は、会計上損益とされていないのに、誤って申告調整しているもの。
(11) 平成18年4月1日前に購入した自己の株式については、その購入のために要した費用は取得価額に加算することとなるが、当該費用を営業外費用等により損金処理している法人の処理をそのまま認めているもの(旧令119@一)。
(12) 平成18年4月1日前に取得した自己株式について申告加算していた手数料等の付随費用は、当該株式の譲渡時においても資本金等の額の減算項目として留保すべきであるのに、申告減算していたもの(平18令附則4@)。
(13) 平成18円4月1日以後に自己の株式購入のために要した費用は損金の額に算入されることとなるのに、申告加算している法人処理をそのまま認めているもの(法2二十一、令8@二十)。
(14) 退職給付信託をしている有価証券と種類・銘柄を同じくする有価証券を有している場合、当該信託に係る有価証券と法人が有する有価証券とを区分して、1単位当たりの帳簿価額を算出することができることとされているのに、簿価通算をして更正しようとしているもの(基通2-3-16)。
(15) 同一の法人の発行する一の種類の株式と他の種類の株式とを保有する場合、これらの株式が同一の価額で取引が行われるものとは認められないのに同一の銘柄として1単位当たりの帳簿価額を計算しているもの(基通2-3-17)。

平成13年度税制改正により、組織再編に伴い有価証券の移転又は交付を受けた場合の次の有価証券についても、売買目的有価証券とするものとされた。
(1) 適格組織再編により被合併法人等から移転を受けた有価証券のうち、被合併法人等において売買目的有価証券として区別されていたもの(令119の12三)。
(2) 被合併法人又は分割型分割における分割法人の株主等である法人がその保有する被合併法人又は分割法人の株式(旧株)を売買目的有価証券として区別していた場合において、その合併又は分割型分割により新株のみ交付を受けたときのその新株(令119の12四)

平成18年度税制改正により、売買目的有価証券の範囲に、法人が株式交換又は株式移転により交付を受けた株式交換完全親法人又は株式移転完全親法人の株式(その株式交換又は株式移転に係る株式交換完全子法人又は株式移転完全子法人の株式が売買目的有価証券とされていたもの)が追加された。
posted by travelair at 18:49| Comment(0) | 有価証券 | 更新情報をチェックする
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